2021年4月になり、少し暖かくなりましたが、夜はまだまだ冷え込みます。そんな日の夜は、鍋料理が落ち着きます。湯気の向こうに盃を置くと、台所と食卓の距離がふっと縮まる気がします。
所沢市に住んでいたころ、和食料理店で「雪見鍋」をいただいたときにとても感動したことを覚えています。似たようなレシピをESSEで見つけましたので、当時の記憶も頼りに作ってみました。
材料の調達

お肉はミヤチクの佐土原直営店で調達します。バラ肉の中でも脂少な目をセレクトします。約420g
豆腐は、都城市の財部とうふ店のものを使います。こだわりというよりは、スーパーで偶然見つけて、美味しそうと思ったからのセレクトです。
大根 2/3本、春菊 1束、にんにく 2かけ
調味料は 白だし 75ml + 水 600ml、酒 30ml、塩 小さじ 2、醤油 小さじ 1.2
調理方法は投入のみ!
調理で一番大変なのは、「大根を雪のように卸す作業」です。この大変な作業は、奥さんがミキサーでやってくれました! (^人^)感謝♪

あとは、順次投入していきます。
だし汁など、味付けをしたものを温めます。そしてお肉投入!
ここで肉から出てきたアクを取ります。ついでに脂の部分も少し多めに取り除くとヘルシー鍋に様変わりします!

その後カットした豆腐を投入します。
雪見の大根おろしを鍋に投入して、春菊を載せた状態で火を止めます。

後は、テーブルに皆が座ってから、温めます。
味わいと燗酒
美しい雪は、美味しい豚肉のお供となり、最高の味わいでした。これは殿堂入りのクオリティーです。
ミヤチクのお肉は脂が美味しいです。この脂と大量の大根おろしのさっぱり感が口の中でお互いを高め合います。このレシピを作られるときは、国産の美味しい豚肉を利用することをお勧めします。精米歩合高めの旨味の多い純米酒がペアリングに良さそうと感じました。
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燗酒のメリットは、香りと旨味がふくらみ、脂の甘みをやわらかく受け止めてくれること。温度が上がることでアルコールの刺激が丸くなり、鍋のだしの旨味と同調します。一方でデメリットとしては、温度が高すぎるとアルコール感が立ち、繊細な大根の甘みを覆ってしまう可能性があります。
大根おろしは、味覚のリセット役です。脂を洗い流し、舌の疲労を軽減してくれるため、燗酒の次の一口が新鮮に感じられます。辛味成分や消化酵素は、豚バラの脂質分解を助け、胃にもやさしい。味覚と身体の両面から、理にかなった組み合わせです。
栄養面の小さな安心
アルコールの代謝にはビタミンB群(特にB1)が消費されるとされています。豚肉はビタミンB1が豊富な食材として知られていますし、豆腐にもB群が含まれます。つまり、この鍋は「お酒で失われやすい栄養素を補う」意味でも理にかなった組み合わせと言えそうです。
もちろん、飲み過ぎれば帳消しですが、食事とともにゆるやかに楽しむ分には、身体への配慮も感じられる献立です。お酒と健康は対立するもの、と単純化せず、どう組み合わせるかを考えることが大人の愉しみかもしれません。
味の濃さは、ご飯のおかずとして丁度良いくらいです。お酒のつまみの場合は、白だしを60mlくらいに減らすと良いかもしれません。
湯気の向こうに、家族の顔があり、鍋を囲む会話があります。燗酒の盃を持ち上げると、その温もりが指先から身体へと広がっていきます。雪のような大根おろしは、ただ白いだけでなく、脂を受け止め、味を整え、静かに全体を支えてくれていました。
一盃から広がるのは、食材への感謝や身体へのまなざしです。鍋の湯気とともに立ちのぼる時間の豊かさ。そのひとときを味わうことこそ、盃縁散歩の醍醐味なのだと思います。

