お酒は、仕込んだその日に完成することはありません
温度を見守り、手を入れ、時に待ち、そして一つの味にまとまります
人の努力も同じで、最後の工程ほど過酷で、不確かなものです
あと一歩が届かない、その繰り返しの中で、何が残るのか・・・
これは、娘のりんごが税理士試験の最後の一科目――消費税法に挑み、合格に至るまでの記録です(第2話)
26歳、2児育児中。4ヶ月・700時間の挑戦
2025年、消費税法に合格し、無事に税理士試験官報合格しました
26歳、0歳と2歳を育てながらの受験
本格的に勉強を始めたのは2025年4月、試験は8月。期間は約4ヶ月でした。
それまでは夫と暮らしていましたが、この短期決戦に集中するため実家に戻り、家族の支援を受けながらの勉強となりました。
一般的には1年かけて取り組む人も多い科目です。
それを4ヶ月、約700時間で仕上げるという、かなり無理のある計画でした。
直前のTAC全国模試では上位7.1%、S判定
そして本番でも、合格という結果にたどり着きました。
今回は、そんな私の税理士試験合格までの体験を書いてみようと思います。
税理士を目指した理由
大学の授業の流れで日商簿記2級を受験したことがきっかけでした。
そこで初めて「税理士」という職業を知ります。
専門職であること
努力次第で収入を高められる可能性があること
そして何より、経営者の相談相手として関われる仕事であることに魅力を感じました。
もちろん簡単な道ではなかったけれど、「この資格を取れば、自分の人生を変えられるかもしれない」と思えました。
合格科目とこれまで
2020年 簿記論・財務諸表論 合格
2024年 税法免除大学院 卒業
2025年 消費税法 合格
消費税法の勉強を始めた時点で、ほぼ予備知識ゼロでした。
加えて、0歳と2歳の育児中

正直、「本当に間に合うのかな…」という不安はずっとありました。
その不安は、最後まで消えることはありませんでした。
特に厳しかったのは、スタートの遅れです。
試験は8月、本格的な勉強開始は4月。
最初の実力テストは全然合格圏ではありませんでした・・・
問題を解いても結果はボロボロで、課税区分も間違えるし、理論も頭に入らない。
周囲はすでに積み上げている中で、自分だけが取り残されている感覚
焦りは日ごとに強くなっていきました。
「これ、本当に受かるのかな…」
心が折れそうになった日も何回もあります
腹をくくるということ
でも途中から、
「もう、合格すると決めるしかない」
と腹をくくりました。
そこからは、とにかく毎日積み上げました。
毎日やるべきことを淡々とこなす。
すると、少しずつですが手応えが変わっていきます。
直前のTAC全国模試では、上位7.1%のS判定
本当に嬉しかった
「ちゃんと努力は積み上がってたんだ」って思えました
勉強法 ― 削ること、繰り返すこと
勉強期間が短かったため、教材は徹底的に絞りました。
基本はTACで配布された問題のみ
一度は大原の問題集にも手を出しましたが、難しさに気持ちが折れかけました。
そこで方針を転換します。
「たくさんの問題を中途半端にやるより、決めた問題を完璧にした方がいい」
同じ問題を何回も解くことで、課税区分の判定精度がかなり上がったと思います。
理論暗記は“ロボット”になる
理論暗記は、正直しんどかったです。
でも、理論って結局「覚えるしかない」。
だから途中から、
「覚えるの嫌だな〜」
とか考えるのをやめました(笑)
音読する
寝る前に頭の中で再生する
言えるか確認する
これをひたすら繰り返しました。
そして、
「私はロボット」
と思い込んで、感情を消して暗記していました。
意外とこれ、大事だった気がします。
試験当日と支え
試験当日はもちろん緊張しました。
でも不思議と、問題を解き始めたらかなり集中できました。
この4ヶ月半、本当に必死だったので、
「ここで出し切るしかない」
という気持ちだったと思います。
勉強に集中できたのは、家族の協力があったからです。
子育てを引き受けてくれた両親と妹。
その時間がなければ、この勉強量は確保できませんでした。
合格発表の日
発表の1週間前から落ち着かない日が続きました。
手応えとしては「いつも通りできた」。
それでも、採点基準が見えない試験です。
「もし落ちてたら…また勉強…?無理だよー。、」
そんな考えが何度も頭をよぎりました。
そして合格発表の瞬間
自分より先に家族が番号を見つけてくれて、
「おめでとう!」
とLINEが届きました。
その瞬間、
「よかったーーーー!!」
と心の底から安心しました😊
税理士試験合格は “ゴール” じゃなく “スタート”
今回の消費税法合格によって、無事に税理士試験官報合格することができました。
子育てをたくさん手伝ってもらいながら勉強していたので、
「絶対に合格しなきゃいけない」
というプレッシャーも本当に大きかったです。
だからこそ、やり切れたことは人生の中でも大きな自信になりました。
でも同時に、
税理士試験合格は、税理士としてのスタート地点に立っただけだとも思っています。
これから実務の中で、他の税法の知識ももっと積極的に学んでいきたいです。
そしていつか、
「相談してよかった」
と思ってもらえる税理士になれたら嬉しいです。
それが次の目標です。
結びに
酒は、最後に火を入れて、はじめて世に出ます
それまでの工程がどれほど良くても、この仕上げを越えなければ酒にはなりません
今回の合格は、ひとつの「火入れ」だったのかもしれません
形として整い、ようやく外に出せる段階に至ったという意味で
酒は、瓶に詰められてからも変化を続けます
人もまた同じで、ここから先にこそ本当の味わいが問われます
盃を傾けながら、その先の時間を楽しみにしたいです
