生クリームをベースにした料理はとても美味しく、フレンチの醍醐味を十分満喫できます。しかしながら、カロリーが高めなのがたまに傷です。
今回は、やや脂の多いもも肉を使っていますが、ベースの味は黒ビールです。アルコールは飛ばしますので、カロリーは低めです。漆黒の色合いにクリーミィな泡、焦げたような香りが特徴です。黒ビールを使う料理はフランス北部に多く見られます。
ビールで肉を煮込む料理は、ワイン文化圏とはまた異なる“麦酒文化”の系譜にあります。寒冷な気候の北フランスやベルギーでは、ワインよりもビールが身近な存在でした。そこで生まれたのが、牛肉や鶏肉をビールでじっくり煮込む郷土料理です。代表的なものに、ベルギーのカルボナードや、フランス・フランドル地方のビール煮込みがあります。
アイルランドのスタウトを起源とする日本の黒ビールは、ローストした麦芽のコクとほのかな苦味、そして甘みを併せ持つのが特徴です。煮込みに使うと、その苦味は穏やかになり、旨味と香ばしさが料理全体をまとめます。さらに、ビールに含まれる麦芽由来の糖分が、肉をやわらかく仕上げてくれるのです。
材料の調達
材料は、鶏モモ肉 約500g、玉ねぎ 中1個、ベーコン(角切)140g、ロータスビスケット 5枚、黒ビール 350mLです。

今回は、近所のスーパーでは調達できませんでした。そうです、ロータスビスケットは車で40分の大手スーパーまで行って購入しました。本来は「パン・デピス」というスパイシーな焼き菓子を使うようです。
鶏モモ肉は既にカット済のものを購入しました。初めて気づいたのですが、カットしていないものの方が、カット済のものよりも安いのです。当たり前といえばその通りなのですが・・・。鶏肉の皮はカットが大変ですから、納得ですね。
調理開始!
下準備として、玉ねぎを刻みます。

強火のフライパンでベーコンを炒めます。脂がでてきたら、塩、胡椒をまぶした鶏肉を皮面を下に焼き始めます。蓋をして約2分。
鶏肉をひっくり返し中火にして、刻んだ玉ネギを投入。蓋をして2分。
ビスケットを軽く砕きながら投入し、黒ビールを加えます。弱火で30分煮込みます。
煮込むにつれ、黒ビール特有の深い色合いがソースに溶け込み、厨房には麦芽の甘い香りが漂います。アルコール分は飛び、旨味だけが残るのがこの料理の魅力です。

その後、蓋を外して約15分煮込み水気を蒸発させます。
完成です!!とっても簡単でした。
三國シェフの本では
黒ビールはキリン一番搾りがお勧めでしたが、今回はアサヒを使用しました。
お味は?
見た目も良く、フレンチのメイン料理の風格もばっちりです。

脂がほどよく乗ったモモ肉に、味わい深い黒ビールのコクがマッチします。ほんのりとした甘さとほのかな香りはロータスビスケットによるものです。玉ねぎが美味しいスープのベースとなり、最高のフランス料理を確実なものに仕上げます。
三國シェフのお勧めもあり、ギネスビールと一緒にいただきました。ギネスビールはアイルランド生まれのスタウト(黒ビール)で、1759年に「大麦を発芽させずにそのまま焙煎する」手法で醸造したものです。
ロースト香のあるギネスビールと、ビール煮込みの甘苦いコク。麦と麦が響き合う組み合わせです。
美味しい・・・! 最高の組合わせでした。
ご馳走様でした。
三國シェフの料理にはこれまで何回か挑戦しました
👉 バスクチーズケーキを焼く
👉 「豚肉ローストのレモンパセリクリームソース」
👉 ニベのポシェ「淡泊な白身魚に、バターの居場所を見つけた日」
参考図書
野田幾子監修. ビールのペアリングがよくわかる本 2018
ビールで肉を煮込むという営みは、寒い土地で人々が囲んだ食卓の記憶を思わせます。麦を発酵させ、時間をかけて煮込み、そして誰かと分かち合う。麦酒文化とは、単なる飲み物の歴史ではなく、人が集い、語り、心をゆるめる場の文化なのだと思いました。黒ビールの深い色合いを眺めながら、遠い北国の台所と、今ここにある食卓とが、ひとつの縁でつながっているような気がしました。一盃は、いつも思いがけない景色へと私たちを連れて行ってくれます。

